No.0012

「芸術は爆発だ」の人が、
40歳で縄文土器に火をつけられた話

岡本太郎さん

今日は岡本太郎さんの話をさせてください。「芸術は爆発だ」の、あの岡本太郎さんです。

……なんですけど、今日の主役は太陽の塔でも爆発でもなくて、博物館の展示ケースの中にあった「土器」なんです。

1951年、岡本さん40歳。東京国立博物館で、縄文土器に出会います。数千年前の、当時は「原始時代の道具」としか思われていなかった土器です。そこに、打ちのめされた。

縄文土器は当時、美術品だとは見なされていませんでした。それを岡本さんは「これはすごい芸術だ」と言い切って、翌年「縄文土器論」という文章を発表します。これがのちに、日本美術史の書き換えにつながっていくんです。専門家の誰も言わなかったことを、40歳の画家がひと目で見抜いた。すごくないですか🔥

しかも岡本さん、火をつけられるのはこれが初めてじゃないんです。若き日のパリで、画廊でピカソの絵に出会って衝撃を受け、抽象芸術に飛び込んでいます。ピカソに着火され、縄文土器に着火され——一流の人ほど、よく燃やされてるんですよね。

そして1970年、大阪万博。テーマは「人類の進歩と調和」。そこに岡本さんがぶつけたのが、あの太陽の塔でした。ご本人の言葉が残っています。

「近代主義に挑む。何千年何万年前のもの、人間の原点に帰るもの。人の眼や基準を気にしないで、あの太陽の塔を作ったんだ」

何万年も前のもの——そう、40歳のときに出会った縄文の火が、太陽の塔までずっと燃え続けているんです。

ちなみに「芸術は爆発だ」、あれ実は1981年のビデオカセットのCMで飛び出した言葉なんです😅 でも、生まれた場所がCMでも中身は本物。爆発の元をたどると、博物館の展示ケースの前に立つ40歳がいる。

最近、なにかに「打ちのめされた」こと、ありますか。……しばらくないなという方は、博物館でも美術館でも、ふらっと見に行ってみませんか?